太陽と契約の考察:同じ槍でも同じ魂とは限らない重大なネタバレ
ミトラスと太陽神の同盟、岩から生まれる神、白いカラスのイメージから、イシュマールの力の継承と契約の主題を考えます。
元動画:ミトラスとソレルは協力している?イシュマールとミトラスの不思議なつながり!FE万紫千紅の考察!(下の中下下編);Bilibili 投稿者 天洛luo。元動画を見る
同じ槍は力の継承だけかもしれない
イシュマールの槍は聖なる炎を発動すると金色に戻り、
ソレルの像の槍に形が似ています。大地の光を取り戻す使命もあり、2人が同じ魂だと考えたくなります。私は別の説明に傾いています。槍によって
イシュマールが一時的に
ソレルの力を引き受け、魂は本人のままという考えです。まず、ミトラスが太陽神の権能をどう得たかを見ると、この筋道を理解できます。
太陽神との同盟を描く図像の順序
ローマのミトラス密儀では、神殿をミトラスだけが占めるわけではなく、太陽神ソルなども登場します。一連の浮彫では、最初にソルがミトラスの前で片膝をつき、次に2神が立って握手し、牛の皮の上で宴を開き、最後にミトラスがソルの太陽の戦車に乗って共に昇天します。ひざまずく場面には服従や任命などの解釈がありますが、後の握手と同乗は両者を同盟として結びつけます。
この図像からゲームを読むと、ミトラス修道会と
ソレルは協力関係と解釈できます。教団は太陽の権能を認め、与え、共有する何らかの儀式を持っているという考えです。「同じ力を得る」ことが「もともと同じ人物」であることを意味しない理由も説明できます。
2本の槍の模様を比較
ソレルの人物カードの槍と、イシュマールが槍を使う戦闘画面には、どちらもノアの血印の模様があります。この解釈では、武器の製作者が残した印と捉え、ソレル自身がノアの血印を持つとは断定しません。
岩から生まれる青年と用意された身体
ミトラスの誕生図は、母親に抱かれた赤子ではなく、岩から直接現れる青年で、松明と短剣を持ちます。続いて、岩を打って水を出す物語もあります。岩は神をもたらし、命を維持する水ももたらします。
イシュマールにも通常の誕生の過程がありません。先に用意された身体へ魂が入り、青年の姿で行動できます。身体を造る側には「ジョカ」という名も関わります。合わせて見ると、自然ではない誕生、成人の身体、太陽の権能という、互いに呼応するイメージのつながりができます。
白いカラスの使者が光をもたらす
ミトラスの入信階級は、第1位がカラスです。牡牛を屠る図のカラスも、太陽神が送った使者とよく解釈されます。ただし「白い」という特徴は、ほかの物語からも探せます。
『変身物語』では、白いカラスがアポロンへ恋人の裏切りを報告し、神が受け入れたくない真実を持ち帰ったため、怒りを向けられて羽が黒くなります。北アメリカ北西海岸のワタリガラスの物語では、変身して日月星辰を隠した箱に近づき、光を空へ戻します。別の物語では水を持ち帰ります。東アジアの白いカラスも太陽、吉兆、王権に関わります。
イシュマールに重ねると、知らせを届け、真実を明かし、世界へ光と命の資源をもたらすことが、同じ方向を向きます。
密儀の階級と身分の変化
ミトラス密儀の第2位は「花嫁」で、頭にベールを着け、以前の身分を捨てて神や教団と新たな契約を結ぶことを象徴します。第6位の太陽の走者はソルを演じ、太陽の冠、松明、太陽の戦車の鞭を持ちます。使者から花嫁、さらに太陽の役割を担う昇格の順序を、イシュマールの象徴と比較できます。
契約の衝突と歴史を消すイメージ
ミトラスという名の中心的な意味は、約束や盟約に関わります。結婚も契約です。
ソレルには、国を代わりに統治する責任と、自身の結婚という2つの関係があります。妻が、大帝の滅ぼそうとする人々を救った場合、どちらに立っても別の契約を傷つけかねません。太陽と盟約のイメージに、具体的な対立が生まれます。
続いて、名前や歴史の消失を見ます。生存者が生きていても、民族名、国、文化が奪われ、救った人物まで禁忌になると、自分がもともと誰だったのか証明しにくくなります。ローマの記憶の抹消も肉体だけを狙わず、名を削り、像を壊し、公共の図像を消して、社会的な位置を失わせます。
セオドラの歴史的な窮地は、ここからも考えられます。
イシュマールが過去へ戻って真実を探す使命も、白いカラスが光をもたらす物語につながります。